2013年7月6日土曜日

7月4日、5日東北行#3

最後に訪れた南三陸町の大雄禅寺。
この寺の檀家の300人以上が命を落としたということだ。
 
 
 
山門まで津波が襲い流され、新たに建てられたが
川で拾い集めた石仏がそここにあった

山門前の参道の樹齢300年以上という
大きな杉の並木が一本と残らずなぎ倒されたり
潮でかれてしまったのだと


鎌倉市が中心となり
清泉女学園、長谷寺、建長寺、東慶寺、
成就寺、妙法寺、浄智寺が贈った紫陽花が
まだ弱々しく寂しい

倒れた杉の切り株に彫ったのであろう
フクロウがポツンと
 
 
 
帰途に向かい30分も走れば
広大な田圃には真っ青な稲が生きずいている

このギャップに再び複雑な感慨になる


僅か1日230㎞をクルマで通りぬけただけだが、
昨日の盛岡での豊かな文化と芸術に触れ

翌日は自然の脅威に改めて震撼させられたが
誰しもこのキャップの世界に一瞬のうちに
突き落とされる可能性があるのだ、と

自然の脅威はもちろんだが、東北の人たちは
いや我々は
その上に人間が為した原発という驚異に
今もさらされているのだ







7月4日、5日東北行#2

翌5日は、どうしてもこの目に焼き付けておきたかった震災被災地の一端。
被災者の方々には甚だある意味では大変に申し訳がないのだけれど
既に2年4ヶ月が経った今ごろなのだが、同じ日本人として目の当たりに
しておかなければならない気持ちに駆られていた。

この日は盛岡駅でレンタカーを借り、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、
南三陸町と予定し、くりこま高原駅から帰途。

東北自動車道を一路釜石へ


予期せずその日は両陛下の
岩手県被災地への行幸を心待ちする住民

交通規制にぶつかり釜石は断念する

山間部を抜け海岸線に出るや

運動場であっただろう、照明灯

集団移住地の造成なのだろうか?
復興には何かおぼつかない
 


遠くの「奇跡の一本松」も
とても空しく映る



目の当たりにすると
全く違う感慨とショック




「復幸マルシェ」の食堂の主人は
「これ以上、何を頑張ればいいのか…」と

気仙沼線はどこも殆どが寸断されている

















7月4日、5日 東北行#1

新しいプロジェクトの視察を兼ねて、ふたつの念願を叶えることができた。
7月4日天気はいまひとつというところだったが、盛岡へ東北新幹線で
向かう。



昼前に盛岡駅に到着し、15:30の約束の視察の前にひとつ目の念願の
「ジョー・プライスコレクション展」を見るために昼食後岩手県立美術館に。
この展覧会はジョー・プライス氏夫妻が東北の被災地の特に子どもたち
のために自らが集めた日本人の発想力や絵画の表現力の素晴らしさを
知らせてその楽しさを感じ元気を取り戻して欲しいという趣旨で開かれた。
そのため仙台を始めに盛岡、福島と半年をかけて巡回してくれる。

伊藤若冲のファンで今までも数回その素晴らしい絵に接したのだが今回の
趣旨に趣向に感動し是非何処かで見たいものだと考えていた。
20点の若冲に改めて目を奪われた。

裁判所の石割桜
 
火の見櫓
 

宮澤賢治ゆかりの光原社
現在は全国の民藝をリードする作品を扱っている

美術館を出て約束の15:30まで時間があったので、市内周辺を散策。

歴史文化館から臨む涼やかなスケープ

プロジェクトはある小さな法人博物館のリニューアルのコーディネートを
依頼されており、そのための博物館の各役割とその機能を粒さに説明を
受けたいと無理を言って「もりおか歴史文化館」の学芸員の方のお時間を
頂いた。