観たいものがあり、白金、松濤に行くことに…。
まずは、白金アートコンプレックスでは「Shuffle」と題する合同展
に、昨年11月末から鎌倉長谷寺で開催させてもらった本堀雄二
さんが新作「不動明王」を長谷川等伯の四季柳図屏風を脇に
出品しているということで、これは相当凄いシャッフルだと行って
きました。
今回、本堀さんの大作はこの一点で、このアートコンプレックスに
は5つのギャラリーがあって、それぞれテーマをもって古美術から
現代アートまでコラボレーションを展開するタイトな楽しい展覧会
でした。
次には、渋谷区立松濤美術館で、開館30周年を記念して開催され
ている「牛島憲之 至高なる静謐」展へ。
この美術館は白井晟一の設計による建物で、以前同じく白井さん
設計の飯倉の<ノアビル>
で1年弱勤務していたこともあり興味があったのですが、中々行け
ずじまいが、いい機会になりました。

やはり、期待通りの建物で、モダニズム建築を越えたところに
あり、まだ効率、効率とばかりいわれる前の隙間を縫った〝作品〟
ともいえるものでした。
でも、僕がいたころのノアビルもそうでしたが、時間が経つとそこ
に入るテナントも建物のコンセプトについて行けず往々にしてただ
使いにくさばかり不平をいうようになってしまう。モッタイナイ。
さて、それより美術館に入るときにショックなことが…!
入場料の300円を窓口で「大人一人お願いします」と言いながら小銭
入れから取り出して、渡そうとすると中の中年の女性がにこにこして
窓口の外側に置いてある小さなプレートを指さしている。
見るとそこには「60歳以上無料」とあった。
あらー、見えちゃうんだーという変な無力感と同時に「いや、違うんで
すけどー!」という見栄が込み上げて来ましたが、あまりにもその女
性の分かってるわよー、という微笑みに萎えてしまって「ありがとうご
ざいます」と免許証を提示して、あえなく素直に敗北宣言…。
こんなの初めての経験でした。自覚が足りないなー。
と反省し、気を取り直して…
「牛島憲之」展ですが、
先日NHKの「日曜美術館で紹介され、その淡く、柔らかな色調と
何気ない題材の興味を持った。
| 東京美術学校卒業前、1924年の作品 「お稽古」という作品。 僕の祖母が清元の師匠をしていたころ 厳しく弟子に稽古をつけてる様が 浮かび上がってきた。 真ん中に立つ黒い柱の一線が 師匠と弟子の越えられない境界線の ようで面白い。 ユーモラスな作品。 |
| 『終戦直後はなぜか夏がとても暑かったような…。 畑の糸瓜(へちま)まで疲れたように垂れ下がっていた 気だるい夏の午後の絵…。』 |
| 『人はゆったりした気分の時は、ゆったりした動きを…。 午後の山下公園、木陰で憩う人々の参集が そのまま絵になって…。 見ているこちらまでいい気分で描けました。 雲まで気持ちよさそうに浮かんでいました。』 |
気負いのない、何気ないモチーフを淡くユーモラスに描くホッとできる
作品たちでした。
待合わせの時間まで、美術館近くの鍋島松濤公園を
一回りして、東急本店を覗き、MARUZEN&ジュング堂書店など回って
最後に、富ヶ谷のビストロシャンブル・アヴェック・ヴェに参集。
東京には都心から外れたところにも、気負いのない静かな、しかも美味し
い店があるもんだ、と今更ながら…。
冒頭、美術館の入り口での事件の話をするとバカうけ!
それから昔話やら、会社の様子やら、ワインのブラインドテストの真似やら…、
と半日ホッとできる時間ができました。
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| ブラインドで楽しんだ Wine。 |
以下、同席のワイン・エキスパートのMさんの解説。
(左から順に…)
1. PINE RIDGE 2008 Chenin Blanc - Viognier
カリフォルニアのナパバレーの白ワインで、シュナンブランに
15%のヴィオニエをブレンド。シュナンブランはフランスロワール地方で、ヴィオニエはローヌ
地 方で多い品種。
ヴィオニエの華やかな香りが印象的。
2. ALTARE TREBBIANO D'ABRUZZO 2007 / MARRAMIERO
イタリアのアブルッツォ州(アドリア海側)のワイン。
トレッビ アーノ種で、樽発酵、樽熟成で作られるワイン。
色もゴールドで、香りも味わいも樽のニュアンスが強い。
トレッビアーノはフランスではユニ・ブランと呼ばれている品種
で、コニャックに使われている。
「梅酒を水で薄めて、甘みを抜いたような味」の(僕の)コメント
はなかな かうまい表現。
3. Les Tannes Tradition CABERNET SAUVIGNION 2009
南仏ランドック地方のカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワイン。
ミ ディアムボディ。
4. ALSACE PINOT NOIR Harmonie 2009 / Charies et Dominique FREY
フランス・アルザス地方のピノ・ノワールから作られたワイン。
ア ルザスのピノ・ノワールはシンプルでフルーティな味わい。
ビオデナミ農法で作られたぶどうを使用。



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