2010年4月20日火曜日

Simple is beautiful !


 これからは近場はなるべくクルマに乗らず、自転車での行動半径を広げようと思っていた。
それにはどうしても乗り心地の良いのがと思い、先日、前から気になっていたサイクルショップ(コギー藤沢)へ行ってみた。

大きな店ではないが、凝縮されたPro Shopのようでちょっと敷居が高い感じではあったが、意を決して入ってみた。7、8年乗っているSchwinnのマウンテンバイクを去年下田の友人の中3の子にあげる約束をしてしまったこともあって新しいモノが必要であった。というより新しいのに乗り換えたい理由に約束をしたようなものだが。

さーっと見ているうちに少しだけディスカウントになっていたSPECIALIZEDのクロスバイクを見つけた。近づいてきた店員さんが「この値段は殆どフレーム代みたいなものですからお買い得だと思います。」他の同種のモノは1.5倍から3倍はしていた。「何が違うの?」「ディスカウントはわりと長期展示したことです。」「高くなるのはフレームもそうですが、この場合は車輪、特に真ん中のベアリング部分のクォリティですかね。あとはギヤとその部品のグレードとかです。でも通常の乗り心地には遜色ないです。

もしお客さんが乗りこなしてグレードアップされたかったら前後のウィールを変えてみてください。その価格差がお分かりになります。」「どのくらいかかるの?」「5万から上は…です。」隣りの1.5倍のヤツがきっと良いシューズを履いてるんだ、と。
 
決定!君にもいつか良いシューズを履かせよう!早速契約。
引き渡しまで整備の順番待ちで1週間かかるという。悠長だけど、これからはスローライフだ。 
慢性腰痛持ちの僕にはサドルは低めに、とお願いしたら「いやー、逆です。下半身だけに負荷をかけるのはよくないですよ。上半身、つまり腕にも重心をかけた方が腰には楽なはずです。」という。道理か。誤解していることが多いなー。

サドルに跨りバランスを見てもらったら今まで乗ったこともないようなサドルの高さ。「無理なら下げますが、お客さん足の長さにはこの辺が理想です。慣れると楽に感じますよ。」というので違和感あるもそのままでOKを出した。「それからブレーキなんですが、犬の散歩に左手を離すので右側を後ろブレーキにしてください。」「はい、ヨーロッパ式ですね。」へー、そうなんだ。ヨーロッパは左右が逆なんだ。

一週間後に店に引き取りに行き、早速初乗り。いやーサドルが高い!交差点で止まると片足はつま先立だ。それにあまりにも軽いのでバランスを取るのが難しい。しかし街中を抜け住宅地の直線コースでハンドルを引っ張る感じでペダルを踏み込むとスピードが出るは出るは!今までのSchwinnの半分以下の重さ、同じ自転車とは思えぬスピード感だ。ギアの入りも何とスムーズなことか。マテリアルの進化なのか。今ではサドルの高さにも違和感はなくなった。

 
 自転車と並べるのはちょっと無理があるにしても、もうひとつシンプルなノリモノと言えば、CATERHAM SUPER SEVEN。 
1957年にコーリン・チャップマンに生み出されてから、カーボンクロスを使用したりマテリアルには進化はあるのだろうが、コンセプトのマシンにはあまり大きな進化は見られない。ポルシェやファエレディの約1/2の1.6Lの排気量で今なお健在のスポーツマシン。

近所の先輩S氏がM百貨店を早期退職され夢(趣味?)が高じてこのSuper SevenのShop(ご自宅兼)を開かれてもう何年になるのだろうか。今や鵠沼海岸に抜ける道でクラシック感を醸す風情になっている。先日前を通りがかり「…今度乗せてくださいね。…」と作業中にお話したら「いいよ。花見でも行きますか。…連絡します。」と。

Shopは何処かイギリスの田舎のガレージを思わせる木造で手作り感を感じる。そのガレージには4台のSuper7と何と真っ赤なMGAが鎮座ましましている。手前のもう一つのガレージにはSuper7が2台?
数日後我が家にいらして「午前中なら雨も持ちそうだから、鎌倉山の桜並木で走りましょうか。」とお誘い頂いた。そしてお持ちのSuper Sevenの中でも一番シンプルと仰るRoadsports(?)で、
鵠沼~片瀬山~鎌倉山~七里ヶ浜分譲地中~134号線七里ヶ浜~腰越を通り戻るショートコースを助手席に乗せて頂いた。

予想に反して鎌倉山あたりポツポツと来てしまったが、それはそれでオープンでなければ味わえない臨場感だった。

2シーター、マニュアルエンジン、エンジン音、ビビッドなハンドリング、低車高なシャーシー、タイヤから伝わるロードのダイレクト感…全てシンプルで、スポーツカーとして快適に走れる最小限の機能だけしか搭載していない。もちろんコンピューターユニットとは無縁。故障というのは大体部品の消耗だけだそうだ。どこが悪いか触ったり、音で解るそうだ。何もがかえって新鮮で愛らしい。

T社のハイブリッド車の微妙なコンピュータ設定によるリコール問題など、この車を好む人には全くあり得ないのだろう。
この快感は何だろうか。男のロマンだけなのだろうか。シンプルメカニズム、誇らしき英国魂!

あ、ところで鎌倉山の桜はどんなだったっけ!?

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