2010年7月2日金曜日

涼やかな本。「僕の生活散歩」





先日、INAXブックギャラリーで
ヒョイと購入した
「僕の生活散歩」三谷龍二(著・絵)




気持ちと情景の伝わる、感じるエッセイだが
絵がまた素晴らしい!
実に、絵から気持ちが、文章から情景が滲みでてくる。


*** 「ならんで、ならんで」の項の引用をさせてもらう

……<略>……
作ることが、ならべることといちばん違ってくるのは、平素の暮らし
の落ち着いた空気を、一度壊してしまうことだと思う。
ものをならべることはもっと静かな作業。

……<略>……
体操の時間、炎天下のグランドで「前にならえ」、と号令がかけられ、
縦横きれいにならぶまで何度も練習させられたことを思い出す。

あの時、壇上の先生から見れば、列の凸凹がとても気になったこと
だろう。
だからもっときれいにならばせたい、そう思ったのだろう。
でも、ならんでいる僕たちは凸凹した存在なのだ。

「ならんで、ならんで」。家族と記念写真を撮るときは喜びに満ちた
その言葉も、列からはみ出さないようにと号令をかけられると、
たちまち違う言葉になってしまう。

そうなると僕はつい逆のことを言いたくなってくる。
「もっとバラけて、バラけて」と。

ならべたものは、すぐにバラせるところがいいのだから。(終) ***


ちょっとズレるが、
前のH社の人材開発のモットーは
「粒ぞろいより、粒ちがい」。
まともな僕は何と苦労したことか。
「嘘つけ!」という声が…(笑)


出版記念の絵画展が30日まであったんだなー。残念!


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