昨日の毎日新聞の朝刊に『指揮者の佐渡裕さん(48)が11年5月、世界のトップオーケストラの一つであるべルリンフィルハーモニーの客演することが分かった。同楽団によると、日本人指揮者の定期演奏会出演は、近年では小澤征爾さん以外にはなかったという。演目はロシアの作曲家シェスタコビチの交響曲第5番など。来シーズンの日程としては5月初旬に発表になる』との記事が載った。
2004年に静岡県、浜名湖で開催された「浜名湖花博覧会」の催事をプロデュースした関係で、佐渡さんとのご縁を頂いた。
この博覧会のメインステージでのひとつの柱になるイベントで、老若男女をオーディションによって選び、博覧会オリジナルの市民吹奏楽団を結成し、数ヶ月に渡って練習を重ね、本番に佐渡さんにその指揮を取ってもらうというもの。
このご縁で、佐渡さんが常任されていた「シエナウィンドオーケストラ」のコンサートを何度か、聴かせて頂く機会を得た。
佐渡さんは小学校時代からフルートを吹いていた。そのことで吹奏楽にはとても熱心で、このコンサートのフィナーレ「星条旗よ永遠なれ」(佐渡さんは「吹奏楽よ、永遠なれ」という)で、この時開場に楽器を持参した観客が大勢いて、この人たちが佐渡さんの呼びかけでステージ溢れんばかりに上がり、オーケストラと一緒に演奏するという〝お約束〝になっているのだ。これが感動の幕になる。
佐渡さん曰く、中学、高校でブラスバンドをやっていても、殆どの人が卒業すると楽器を押入れにしまい込んで、演奏から離れてしまうのはモッタイナイ、このコンサートのフィナーレを切っ掛けに、またみんなで演奏するって本当に楽しい、ということを思い出してもらって、時々でも演奏してもらえれば、と。
佐渡さんとは、一度夕食、それも浜松の魚メインの、いわば居酒屋でご一緒したが、お酒も飲むし、食べるは食べるは! あのバイタリティの源だと思った。
本番は、その前日からこの市民オーケストラのおさらいリハから始まった。
パートごと、小節ごと、細かい指示や直しが入るのだが、あの大きな身体、大きな声、身振り手振り、その説得力は凄かった。
楽団員の士気も、今までの練習会とは雲泥の差。
みるみる、音が変わっていく。ハーモニーの質が変わっていく。
通しで一曲演奏した時には、身の毛がよだつ思いだった。もちろん本番は感動的な演奏になった。
この人は本当に凄い、と思った。素人楽団だからということではないのだろうが、勝手に〝体育会系〝の指揮者だなと。その姿は、長身のバスケットボールのヘッドコーチがコートサイドで、熱い指揮をとっているようにも見えた。
佐渡さんが、あのベルリンフィルを指揮する。
きっと今までにないベルリンフィルの素晴らしいステージになることだろう。とても楽しみだ。
佐渡さんの小学校の卒業文集は「大人になったら、ベルリンフィルの指揮者になる」だったそうだから。
2010年5月3日月曜日
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