2010年5月24日月曜日

ステンシル

仏像彫刻の入り口であるレリーフが、粘土から、石膏、そして木彫へと足掛
け2年かかってようやく完成に近づいたのだが、
これだけでは終わりにならない。




2006年東京国立博物館で開催された「仏像」特別展<一木にこめられた祈り>
に行ったとき、この時は特に円空と木喰を観たくて行ったのだが、そこに出品さ
れていた奈良・融念寺の地蔵菩薩立像を観て、なにかやさしさと安らぎと、また
胸騒ぎ(?)のようなものを感じた記憶がある。



その頃はまだ仏像教室にも行っていなかったが、自然にこの菩薩をレリーフに
することになっていった。

このレリーフが完成すると、次の制作は立像になるので、そうなるとそうそうは
アソビなど許されなくなるので、何かここでオリジナリティを出せないものかと考
えていたところだった。


そこで、ふと頭を過ぎったのが、
20年前にちょっと気まぐれでやっていたステンシル だった。

そのころ、小さなモチーフでは飽き足らず、デザイン書やテキスタイル本をあさ
り、フィルムに型を起こしていたものがあったことを思い出した。



仏像とステンシル、このミスマッチはどうかと…。

実際のモノにしたのは、ウィリアム・モリスのテキスタイル・モチーフでトレイを
作った。




トレイ

                              型             サンプル出し       


                       上の型になったモリスの表紙



友人の自宅の門戸や壁にペイズリー模様を入れさせてもらったりしていた。
  
 型                 サンプル出し



それで、昨日その型紙の在りかを探し当て、アートバッグを開けてみるとけっ
こう行けそうなものがあったので、これは面白いかもと、ちょおとほくそ笑んだ。








あれやこれやとサンプルの上に、菩薩のレリーフを置いてみたが、……。






完成のアカツキには、アップすることに…。


           


しかし、あの当時、なんでこんなフェミニンなことをやっていたのだろうか。
確かに建築やインテリア……、そうか痛んだ壁や家具をステンシルでカバーしよ
うと考えていたのかもしれない。でも既存の型やデザインには興味がなく、何か
見つけては型を起こしていたのだ。

そのうち補修などには興味が失せ、ただ型を起こすことが楽しくなっていったのだ。

20年も経ったいま、こんなところで、ミスマッチが起こるなど考えても見なかった。

あとは先生からOKがでるかだが

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