け2年かかってようやく完成に近づいたのだが、
これだけでは終わりにならない。
2006年東京国立博物館で開催された「仏像」特別展<一木にこめられた祈り>
に行ったとき、この時は特に円空と木喰を観たくて行ったのだが、そこに出品さ
れていた奈良・融念寺の地蔵菩薩立像を観て、なにかやさしさと安らぎと、また
胸騒ぎ(?)のようなものを感じた記憶がある。
その頃はまだ仏像教室にも行っていなかったが、自然にこの菩薩をレリーフに
することになっていった。
このレリーフが完成すると、次の制作は立像になるので、そうなるとそうそうは
アソビなど許されなくなるので、何かここでオリジナリティを出せないものかと考
えていたところだった。
そこで、ふと頭を過ぎったのが、
20年前にちょっと気まぐれでやっていたステンシル だった。
そのころ、小さなモチーフでは飽き足らず、デザイン書やテキスタイル本をあさ
り、フィルムに型を起こしていたものがあったことを思い出した。
仏像とステンシル、このミスマッチはどうかと…。
実際のモノにしたのは、ウィリアム・モリスのテキスタイル・モチーフでトレイを
作った。
トレイ
型 サンプル出し
友人の自宅の門戸や壁にペイズリー模様を入れさせてもらったりしていた。
型 サンプル出し
それで、昨日その型紙の在りかを探し当て、アートバッグを開けてみるとけっ
こう行けそうなものがあったので、これは面白いかもと、ちょおとほくそ笑んだ。
あれやこれやとサンプルの上に、菩薩のレリーフを置いてみたが、……。
完成のアカツキには、アップすることに…。
しかし、あの当時、なんでこんなフェミニンなことをやっていたのだろうか。
確かに建築やインテリア……、そうか痛んだ壁や家具をステンシルでカバーしよ
うと考えていたのかもしれない。でも既存の型やデザインには興味がなく、何か
見つけては型を起こしていたのだ。
そのうち補修などには興味が失せ、ただ型を起こすことが楽しくなっていったのだ。
20年も経ったいま、こんなところで、ミスマッチが起こるなど考えても見なかった。
あとは先生からOKがでるかだが。
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